2015年6月16日火曜日

音楽におけるマルチサンプルとは何か

そもそもマルチサンプルとは何でしょうか。

KRONOS のパラメーター・ガイドの文を引用します。
(KRONOS_Param_Guide_J.pdf)
 
マルチサンプルは、複数または1つのサンプルを鍵盤上に割り
当てたものです。シンプルなギターのマルチサンプルを例に
とると、各弦ごとに1つずつサンプルを配置し、合計6つのサ
ンプルで構成するといった具合です。
 
要するに、いくつかの音程でサンプリングしたものを
鍵盤に割り振ったものになります。
 
引用文については、開放弦である6つの弦を
サンプリングしたと解釈して進めます。
 
サンプリングしていない音程は、サンプルのある音を早送りや
早戻しの要領で高くしたり低くしたりすることで発音しています。
 
例えば、ギターの一番太い弦である 6弦の E1 だけを
サンプリングして鍵盤上に割り当てたとします。
 
実際鳴らしてみて E1 付近の音は気にならなかったとしても、
1弦の E3 までくると本来の 1弦の音とはかけ離れていることに
気付くと思います。(実際に聴いたわけではないですが想像で…)
 
そのため、生楽器などについてリアルに再現するため、
ある程度の間隔で音をサンプリングし、それ以外の音は
サンプリングしたものをピッチ変更することで対応しよう、
というのがマルチサンプルの本来の考えです。
 
ギターの開放弦は「E1、A1、D2、G2、B2、E3」なので、
それ以外のサンプリングされていない音については
近い音がピッチ変更されて鳴っているということになります。
 
マルチサンプルのメリットは
メモリ容量とコストを抑えられることです。
 
KRONOS や KROME のピアノ音源の一部については
「全鍵ステレオ・サンプリング、ノン・ループ処理」と明記してありますが、
KROSS は「マルチサンプル」、SP-170S は「ステレオ・サンプリング」となっています。
 
後者2つについては、KRONOS の HD-1 のピアノ音色と
同じようなセッティングになっているのかなと思います。
(HD-1音源は、基本的にマルチサンプルで構成されています。)
 
このように、マルチサンプルと
全鍵ステレオ・サンプリングでは内容が少し違ってきます。

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