2017年3月30日木曜日

KORG が新しい電子ピアノ G1 Air を発表

KORG が電子ピアノ G1 Air を発表しました。

 
KRONOS のピアノ音源を抽出した
電子ピアノといえそうです。
 
NAMM SHOW 2017 で参考出展された Grandstage は
ステージピアノ版 KRONOS といった感じなので、
いよいよ出揃ってきたという印象を受けました。
 
 
投稿日現在の電子ピアノは、B1、LPシリーズ、
SPシリーズですが、ここで G1 が出てきたので、
LP と SP はフェードアウトしていくと思います。
 
実際に SP-170S は生産終了に伴いデジタルピアノ
カテゴリーのページから消えてしまいました。
 
G1 Air のピアノは SGX 音源でも聞き馴染みのある
ジャーマン、ジャパニーズ、オーストリアンです。
 
KRONOS では、これらのベロシティは 8段階ですが、G1 Air は
4段階なので、ピアノ音源の完全移植とはいえません。
 
ベロシティ・スイッチについては以下の画像をご覧ください。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
これは KRONOS の HD-1 という音源で設定できる画面です。
 
G1 Air とは関係ないのですが、設定も似たようなものなので、
例として挙げさせていただきます。
 
まず、赤枠でピアノのサンプルが設定されています。
 
上から順番に
 
フォルティッシモ(非常に強く)
フォルテ(強く)
メゾフォルテ(やや強く)
メゾピアノ(やや弱く)
 
となっています。
 
そして、黄枠は私が実際に鍵盤を弾いた時の強さ(ベロシティ)です。
 
そのベロシティに対応したサンプル、ここでは赤矢印が指している
メゾフォルテが音として出力されるという仕組みになっています。
 
ベロシティ・スイッチが 4段階というのは、上記のような
4つのサンプルが用意されているということです。
 
1つのピアノの音色の中に、4つの強弱を録音した
サンプルが入っていると。
 
KRONOS の SGX音源は 8段階や 12段階(ベルリン)の
ものがあるので、強弱のサンプルが多いことがお分かり
いただけるかと思います。
 
同時発音数は 120音(最大)となっており、G.PIANOボタンの
音色などは 4つのオシレーターで構成されているため、
最大同時発音数が 30音です。
 
少々ややこしいのですが、「1オシレーター」は、上記で挙げた
「フォルティッシモ~メゾピアノ 1セット分」と同じになります。
 
ですので、4オシレーター構成の音源で一つの鍵盤を弾くと、
上の画像を例にした場合、4つのメゾフォルテが発音します。
 
これで同時発音数 120音のうちの 4音が使われるため、
120 ÷ 4 = 30音 という仕組みです。
 
ダンパーペダルを踏んでいる時の減衰する一音一音にも「4音」が
使われているので、踏みっぱなしで音符が多い曲を演奏すると、
最大同時発音数を越えた時に音が切れる現象が発生します。
 
なお、OTHERSボタンの「クラビ」などは 1オシレーターなので、
120 ÷ 1 となり、最大同時発音数は 120音です。
 
「120音(最大)」は、音色によって使われるオシレーターの
数が違うため、このような表記になっています。
 
複数のオシレーターを組み合わせることでステレオ感などの
効果を出している電子ピアノだということが分かりますね。
 
再度 KRONOS の話になるのですが、SGX音源はすべての鍵盤を
「ループなし」でサンプリングしています。ループなしというのは、
鍵盤を弾いて音が減衰しきるまでを録音することです。
 
容量の関係で 88鍵盤のサンプリングやノンループができない場合、
マルチサンプルの解像度を落としたり、ループ処理で音を取り繕う
ことで成立させることになります。
 
それらしい文言が公式サイトの説明に無いので、G1 Air は上記の
ような「容量をうまく節約したピアノ音源」だと言えそうです。
 
KRONOS との比較でネガティブな表現が続いてしまいましたが、
価格は 10万円前後ということで、コスパはとても高いと思います。
 
スペックでいうと、G1 Air の上位に位置するのが KAWAI ES8 です。

3種類のグランドピアノの音を収録して、88鍵盤すべてを
サンプリング、最大同時発音数が 256音で、鍵盤動作は
3センサー検出となっています。
 
こうしてピアノ音源の中身やスペックを比較すると、それぞれの
機種に価格差があるのも納得できるのではないでしょうか。
 
初めて電子ピアノを購入する方にとって 10万円までの壁、
15万円の壁、20万円の壁などがあると思います。
 
そうした中で G1 Air を 10万円前後で出すのは価格的にも
ハードル的にもうまいと個人的に感じました。
 
鍵盤はいつもの RH3 です。
 
Bluetooth 対応、スピーカー内蔵、録音機能あり、
平均律以外に純正律等も設定可能です。
 
LINE OUT はステレオミニが一つだけ。
MIDI は IN/OUT の他に USB端子 があります。
 
USB接続では MIDI の送受信と、録音機能で保存した
データを PC にバックアップするストレージモード
がありますが、USBオーディオはないようです。
 
KORG の電子ピアノ全体の比較は、こちらをご覧ください。
 
追記:
初回出荷分でダンパーペダル使用時に音が伸び続ける
不具合があるようです。
 
 
2017年5月30日現在では Win7 ~ 10 用のアップデータのみ用意
されています。Mac を所持していて購入を検討されている方は、
ご注意ください。
 

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